日本におけるエンジニアの重要性
こんにちは。代表の土肥です。
デジタル化が加速する現代社会において、エンジニアの役割はますます大きくなっています。
少子高齢化やグローバル化が進む中、社会課題は募るばかりです。昨今抱える課題を解決して、日本の経済成長を促進させるためには、IT技術の進歩ひいては、エンジニアの存在が不可欠です。
しかし、現状ではエンジニアの数はまだまだ必要数に及びません。
奇しくも、そのことが日本の経済成長を鈍化させ、国際競争力を低下させる要因となっています。
このページでは、エンジニアが「なぜこれほど重要なのか」、エンジニアの不足が日本経済に「どのような影響を与えるのか」を詳しく解説します。
日本のエンジニア不足の問題について
まずは、日本のエンジニア不足の現状と日本の社会情勢からお話します。
切迫するエンジニア不足
ご存じの方も多いと思いますが、エンジニアの人手不足は少し前から深刻化すると言われています。特にここ数年、顕著に表面化が進み大きな問題となっています。
以下の画像は2019年に調査されたデータです。
2019年に調査されたデータによると、2030年までに高位シナリオで79万人が不足すると予測されています。2024年現在では、すでに発表後、約5年が経っていますが、未だ解決の目途が経っていません。
以下の表をご覧ください。
2024年にIPA情報処理推進機構が調査した「DX動向2024」進む取組、求められる成果と変革」によると、DXを推進する人材不足について「不足している」と回答した企業が85.7%でした。
このように、多くの企業でエンジニア不足を訴えています。
私たちが直面しているエンジニア不足という問題は、遠い先の未来の話ではなく、現実で今起こっていることなのです。
デジタル化の加速
近年の日本は、目まぐるしく、あらゆる業界・業種でデジタル化が加速しています。そのため、エンジニアの人手不足の問題はますます拡大の一途をたどると言わざるを得ません。
デジタル化の一例は以下となります。
- 製造業:IoTによる生産ラインの自動化
- 金融業:FinTechによる決済システムの革新
- 人材業:HRテックによる採用効率化
- 小売業:ECサイトの普及
- 建築業:ドローンやVR・ARの活用
- 官公庁:行政手続きのオンライン化
このように、もはやIT業界に留まらず、あらゆる業界でIT化の波が広がっています。また、労働人口減少の観点から業務効率化の改善が求められており、基幹システムの開発も活発化しています。
さらにIT技術は、交通システム、電力網、通信インフラなど、社会インフラの維持・発展に不可欠です。
そのため、急速なデジタル化もエンジニア不足を加速させています。
エンジニアの人手不足がもたらす経済成長の鈍化
エンジニアの人手不足は、経済成長に悪影響を及ぼす可能性があると言われています。
この問題について、より深く掘り下げてみました。エンジニアの人手不足がもたらす経済成長の鈍化する理由を解説します。
イノベーションの停滞
エンジニアの人手不足は、新製品やサービスの開発遅延を招き、結果としてイノベーションの停滞を引き起こします。
既存のシステム・アプリケーション・製品・インフラなどは技術アップデートがされるたびに機能追加や改善が必要です。
新機能の追加や改善が行えないと、外国のサービスに追い越されて、市場シェアが奪われる可能性があります。
現在、使われている携帯電話もガラケー時代には日本製がたくさん売られていました。しかし、今はiPhoneやOppo、Google pixelといった海外製品のイメージに変わっているのではないでしょうか?
エンジニアの人手不足が続くと、やがて既存サービスの継続が困難になったり、新サービスの創出が少なくなったりします。
やがてイノベーションが停滞し、スマホシェアが奪われたように日本経済に大きな影響をもたらすことになります。
加えて、日本のIT技術領域は全体的に他の国より広がっておらず、既存の技術領域のほとんどは海外の技術です。
エンジニアの人手不足によるイノベーションの停滞は、日本の経済成長に大きな影響を及ぼすことになります。
生産性の低下
エンジニア不足が生産性に与える影響は多岐にわたりますが、ここでは二点をお話します。
- 品質の低下
- 従業員の負担増
人員不足により、十分なテストや検証ができないため、システムの品質が低下する可能性があります。テスト・検証が十分にできなければ、エラーが多発し、新規・既存サービスの使用が阻害されます。
あなたが利用しているスマホゲームが、メンテナンスで全然触れないといったものに近いイメージです。
また、労働人口低下の問題からあらゆる企業で人手不足となっており、業務効率化のシステムが積極的に開発されなくなり、従業員の負担が増えることになります。
業務上で使用しているツールが使えなくなったとしたら、ゾッとしますよね。
このように少しでもエンジニア不足を解消することが、経済成長の鈍化を抑え、多くの人の生活を支えることにつながります。
社会課題・企業課題を解決できるエンジニアの重要性
ここまでの内容を踏まえると、エンジニアは社会課題・企業課題を解決できる非常に重要な役割であることが見えてきたのではないでしょうか?
エンジニアがどのような課題を社会・企業に対して解決できるのか理解を深めていきましょう。
企業課題の解決
IT技術は企業の課題を解決することができます。
企業によって様々ですが、以下のような課題があげられます。
- 収益性向上
- 人材育成
- 売上・シェア拡大
- 事業基盤の強化
- 新製品・新サービスの開発、
- 従業員の満足度の向上
収益性の向上であれば、業務効率化システムの導入などが挙げられます。10人必要だったタスク量をシステムによって8人まで減少させることができれば、2人分の人件費削減が可能です。
人件費が減ったことで、一人当たりの生産性が向上し、利益が大きくなります。
他にも事業基盤の強化を目的とした、社内インフラの構築や、基幹システムをオンプレミスからクラウドに移行するなど様々な解決方法があります。
このように、インフラエンジニア・開発エンジニアは企業の課題を解決していく重要な存在です。
社会課題の解決
現在、日本には社会課題が山積しています。災害の激甚化、少子高齢化、都市への一極集中/地方の過疎化、情報リテラシーの格差など挙げ続ければキリがないほどに膨れ上がっています。
そこで、一役買えるのがエンジニアの存在です。
例えば、IT技術を活用した地方創生です。通信インフラの強化を行い5Gの対応地域が増えたとします。すると、地方でもテレワークの普及が進み、都市部と同様にリアルタイムで仕事や生活ができるようになります。
また、EコマースやIoT技術は、地域産品の販売促進や農業の効率化を図ることが可能です。
このようにIT技術を活用すれば、地域産業の活性化にもつながるのです。
また、日本では世界に比べて災害が多い国であり、災害から身を守るためのシステムやアプリなどが改善・アップデートされて、早期対策ができるなどの効果も見込めます。
エンジニアの人手不足が解消し、技術を進歩させていくことができれば、社会課題も解決できる可能性があります。
まとめ
エンジニア不足は、日本社会が抱える深刻な問題です。デジタル化の加速により、エンジニアの需要はますます高まっていますが、供給が追いついていない状況です。
このまま進むと、イノベーションの停滞や生産性の低下を引き起こし、結果として日本の経済成長を鈍化させ、国際競争力を低下させる要因となります。
しかし、エンジニア不足が解決できれば、IT技術を活用して、地方創生や災害対策、企業の収益性向上など、様々な問題解決にも貢献できます。
それほどまでに、エンジニアは社会課題や企業課題の解決に欠かせないほどの重要な存在です。
エンジニアの人手不足解消は、日本を再び経済成長軌道に乗せ、より豊かな社会を実現できる可能性を秘めています。
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